県立美術館は中部が最適!

 鳥取県立美術館構想も、風雲急を告げて参りました。県では建設候補地を鳥取市2ヶ所、中部地区2ヶ所まで絞り込み、県民アンケートの結果を見て最終決定するとのことです。

そんな折、米子文化協会の呼び掛けで、県立美術館建設に係る打ち合わせ会が提案され、境港市文化団体協議会・米子市文化協会・倉吉文化団体協議会の三団体が結集しました。その趣旨は、県美検討委員会の報告(アンケートの結果、建設要請が70%を越えた)を受けた県教育委員会が「次のステップの準備をする」(建築場所の選定)との意向を示し、最終段階に入ったようです。そこで、第二回の県民意識調査(場所選定アンケート)が重要になります。そこで、西部地区の文化活動団体としては、間違っても鳥取地区に選定されては困るとの強い意向を、中部地区を巻き込んだ活動として広く県民に発信したいと言うものです。中部地区に建設を願う倉吉文化団体協議会としては、これほどの強い味方はないと、この会に参画しました。

 そして、まとめ上げたのが、県知事あての次の要望書です。

鳥取県立美術館建設地に関する要望書

鳥取県知事 平井伸治様

米子市文化協議会 会長 小谷幸久

倉吉文化団体協議会 会長 計羽孝之

境港市文化協会 会長 湯越 敬

 

鳥取県立美術館の建設に当たっては、長期にわたり県、県教委、県美検討委員会において多岐にわたって検討され、理念や設置目的など美術館のコンセプト、設備規模等について、ほぼ協議が終了したものと伺っております。

また、美術館の必要性についての第1回県民意識調査は、必要が7割を超えた結果等も報道され、県美検討委員会の報告内容として

[美術館のあり方については]

()「とっとりのアート」の魅力を県内外に発信

()子供たちが想像力や創造性を育む場

()賑わいのある地域づくりに貢献

[施設規模は]

*延べ床面積1万2240u  建設費約85億円を基本とする

以上の結果、候補地以外の構想はほぼ固まったとされており、4ヶ所の候補地が1ヶ所に決定されるのは、間もなく実施予定の第2回県民意識調査が大きな意味を持つこととなると考えられます。

このような現状から、県民のための美術館として予てから鳥取県中部に建設を希望する私たち文化団体、中西部県民は「文化は即、経済観光振興に直結する時代」全県的、広域的視点の上に立った建設候補地の選定を希望し、下記の通り要望しますのでよろしくお願い致します。

1 立地・建設地域   

「鳥取県中部

希望する理由

@県の中央に位置し、全県民が利用し易く公共交通機関の利便性が良い

A県民が自由に利用できる既存施設との相乗効果が期待できる

B県民の憩いの場所、観光面から自然環境が良い

C県内地域の均衡ある発展に県立施設の配置について県民のコンセンサスが可能

2.建設場所

第一候補地   

「旧運転免許試験場跡地」

 〜特長〜

@車社会において県下全域から最短時間で利用可能である。

A「まんが大国とっとり」を進める鳥取県として青山剛昌ふるさと館と県下一賑わう道の駅大栄との相乗効果が期待できる。

また、鳥取コナン空港、JRの由良駅(コナン駅)コナン通りとの連携で発展が望める。

B美しい由良川と日本海、松林の借景、お台場公園とスポーツ施設など周辺環境が良く、美術館の建築美と調和のとれた全国発信可能な美術館建設が期待できる。

C広大な土地が確保可能でそのため美術館前庭のプロローグなど、十分な環境整備と駐車場スペースが確保でき、将来の増設や街づくりなど伸び代が大きく中部地域の将来性の核となり得る。

 

第二候補地   

「倉吉市営ラグビー場」

〜特長〜 

@倉吉市は古より文化活動が盛んであり、文化のまちと呼ばれて久しい。我が国の洋画界に多大な貢献をした前田寛治等を擁する砂丘社運動の地でもある。

A全国の第一線で活躍する作家を対象としたトリエンナーレ美術賞「倉吉:緑の彫刻賞」「前田寛治大賞「菅楯彦大賞」を創設し、未来に向けて「発信するまち倉吉」「文化のまち倉吉」として歩み続けている。

B既存の倉吉未来中心、倉吉交流プラザとの相乗効果が期待でき、隣接する大御堂廃寺跡が史跡公園として広がる「緑の豊かな公園美術館」となる。また、倉吉未来中心の広大な駐車場との供用が可能となる。

C美しい「打吹山」を借景とし、文化施設がコンパクトに纏められ、利便性と街の賑わい創出(白壁土蔵群)が期待できる。

 

以上の要望書は、三市の文化団体の三役で、鳥取県知事平井伸治氏に面談し、提出いたします。

そんな訳で、倉吉文化団体協議会としては、北栄町・倉吉市のいずれであれ、中部地区に建設されることを強く希望しています。

 ところで、倉吉市から、是非とも倉吉市ラクビー場を三市の文化団体として押してほしいとの要請がありました。市の企画部長以下4名の職員が二度にわたり倉文協事務局を訪問され、諸々の利点を説明されました。そこで、用地概要を質しましたところ、ラグビー場だけの面責は22,060uとのことで、これに大御堂廃寺跡地の面責約50,000uを借景とし、庭園公園として併設できれば、他に類を見ない広大な美術館敷地となり、公園美術館としての新しい可能性を秘めた使用ができるとのことでした。そうしてみると、24,000uの「旧運転免許試験場跡地」よりもラグビー場案が圧倒的に有利になるように思われます。

しかし、問題は交通の利便性です。東部・西部からのアプローチは、圧倒的に北栄町が有利となります。しかし、倉吉市の問題点である、自動車道路については、湯梨浜インターから直結する道路案が既にあるとのことですし、313号線の高速道からのアプローチも計画されているため、北栄町から余分にかかる時間の短縮は期待されるとお聞きしました。なお、ラグビー場の移転問題については、ラグビー協会の了解も取り付けてあるようですし、心配された駐車スペースも、十分に確保され、更に倉吉未来中心との供用で682台分が準備できるとの見方もあるようです。

蛇足ですが、倉吉市民にとってはラクビー場案に落ち着くことを願っています。